地域をつなぐ「カフェの店員になる旅」
地元を感じるカフェのひみつ
川の上百俵館
石巻市の北部に流れる北上川の河口から20キロほどに位置する川の上(かわのかみ)地区にある「まちの図書館」。それが「川の上・百俵館(ひゃっぴょうかん)」です。仙台駅からバスに揺られること1時間少々、「追波川運動公園」停留所でバスを降り、5分ほど歩いたところにあります。
元々はこの地域の農協が精米や搾油していた倉庫だったという、地域の営みを感じられる場所をリノベーションして、子どもも大人も、地域の人も外から訪れた人も。誰もがいつでも本を読み、学び、地域の未来に向けて語り合える場所、というと少しかたい印象も受けてしまいますが、気軽にお茶っこを楽しめる公共の場として2015年4月にスタートしました。
この「川の上」という地域には元々約400世帯が住んでいましたが、2017年以降、防災集団移転のため沿岸部からさらに約400世帯が移り住んでいます。そのように異なるバックグラウンドをもつ人たちが一緒になるため、新旧の住民が親睦を深める場をつくろう、という住民の想いのもとに百俵館は誕生したのです。
思い思いに過ごせるカフェの役割
百俵館に一歩足を踏み入れると、壁一面に広がるたくさんの本にワクワクします。訪れた人はお茶を飲んだりお喋りしたりしながら、自由に本を読むことができます。ちょうどこの日も、お子さん連れのママたちが絵本を手にとったりお茶をしながら思い思いの時間を過ごしていました。
この百俵館の中にあるカフェが今回の旅先のメインです。メニューには、地元のお茶や麹を使ったドリンクなど、この地域のものを使った美味しそうな飲み物、食べ物が並びます。カフェを切り盛りするのも、主に地元のお母さんたち。この地域には昔から「お茶っこ」という風習があったそうで、ご近所さん同士がお茶を飲みながらおしゃべりを楽しんできました。「お茶っこ」は交流の場として、近隣同士の絆を深めたり、新しい住民が地域に溶け込むきっかけになったり、治安を維持したりといった役割も担ってきたという面も。
そのような背景もあってか、この場所で飲むお茶の時間も地元の人にとっては知り合いの家を訪れたような、域外からの来訪者にとってもまるで帰省先で一息ついたような、温かい時間が流れます。
未来に続く地元のサードプレイス
この場所を運営する、石巻・川の上プロジェクト理事・運営委員長の三浦秀之さんは、普段はなんと東京にある大学の先生。ですが、実家のあるこの場所で「まちを耕し、人を育む」という理念のもと、週末など休みの時間を使って、地元の仲間、そして建築やデザイナーなどの東京の仲間と一緒に活動をしていらっしゃいます。三浦さんご自身、普段の暮らしの拠点から近くはないこの場所でなぜ活動を?と伺うと、「自分が歳をとったときにも住みたい地域にしたい」という思いがあるのだそう。
そのように未来につなぐ、という思いのある場所だからこそ、オープンから3年経った2018年4月には、新たに「耕人館」と「たねもみ広場」がオープンし、様々な人たちが共に学びあい、支えあい、伝承するための「地域の学び舎」として、地域と共に育つ場所となっているようです。
その時々で表情を変える場所
この旅では、カフェのスタッフとして働いてみる、という体験はもちろんですが、年齢も様々な地元の人たちが訪れる、というこの場所のユニークさに思う存分触れて、石巻の、川の上の人たちからこの地域の色や、魅力にもひたっていただきたいな、と思います。(もしかすると、最初は「石巻弁」に耳が慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなところも旅の醍醐味としてしっかり体験してくださいね。)
百俵館では、定期的にイベントやワークショップも開催されています。子どもたち向けのイベントや、この地域のことを知るワークショップ、地元の人たちが野菜や手作りの品を持ち寄ってのマルシェなども。訪れる日によっては、イベント・ワークショップ開催日にあたることもあるかと思いますので、その日その日の百俵館をぜひ体感してください。
旅の案内人
三浦秀之(みうらひでゆき)
宮城県出身。
一般社団法人石巻・川の上プロジェクト理事・運営委員長/杏林大学総合政策学部准教授。実家がある石巻市(旧河北町)の川の上地区において地域住民と石巻・川の上プロジェクトを立ち上げ、「まちを耕し、人を育む」を理念に掲げ活動中。
こんな人にオススメ!
地方でカフェを開いてみたい
人が集まる場所に興味がある
将来地方、地元に関わりたい
体験スケジュール
時間 | 工程 | 体験内容 |
---|---|---|
10:30 | 川の上・百俵館集合 |
※東日本急行バス 9:25 仙台駅発→10:20 追波川運動公園 推奨 |
10:30 | オリエンテーション |
1)ごあいさつ 2)本日のスケジュール発表 |
11:00 | 仕事体験 |
カフェの仕事や、敷地内の整備など |
12:00 | お昼休憩 |
1) オープンまでの経緯・理由 |
13:00 | 川の上地域散策 |
1) 百俵館周辺の地域を散策 |
14:00 | 仕事体験 |
1)周辺を見た上で、どんな場所・企画が地域に求められるか、喜ばれるかを考えながらカフェの仕事に取り組んで見てください |
14:45 | 旅のまとめ |
・旅の感想、気づきの共有 |
15:00 | 終了! |
百俵館解散※東日本急行バス 15:47 追波川運動公園→16:52 仙台駅 |
備考 | ※寺子屋やマルシェなどイベント開催時にはそちらの運営を一緒にしていただくこともありますので、ご了承ください。 |
開催概要
金額:5,400円(税込)
定員:4人(最少催行人数:1人)
時間:10:30-15:00
締切:1週間前
受入先詳細
受入先名 | 川の上・百俵館 |
---|---|
住所 | 宮城県石巻市小船越字山畑343-1 |
電話番号 | 0225-24-6625 |
メールアドレス | info@kawanokami.com |
受入先名 | 川の上・百俵館 |
ウェブサイト | http://kawanokami.com/hyappyokan |
https://goo.gl/w27Moz | |
営業時間 | 10:00-17:00 |
定休日 | 月曜日 |
開業年 | 2015年 |